WEB制作の歴史を振り返る。WEBサイト今昔物語

PC WEBサイト

WEBサイト制作業をはじめて早17年。たかが17年なれど、WEBの世界での17年はとてつもなくスピードが速い。

ほとんどのお客が、WEBサイトもサーバーもWindowsも光ファイバー回線も同じものだと思っていたネット黎明期。井元はWEB屋だと言うのに、WordやExcelの使い方を教えて、と言われていたのがなつかしい……。

それがどうだろう。今やほとんどの企業が自社サイトを持ち、社内ではアプリを使い倒している。

17年。

それに伴い、WEBサイト制作のスケジュールも大きく変遷してきたのだ。今回は「WEBサイト制作の歴史。今昔物語」と題して、振り返ってみようと思う。

とにかく途中経過を知りたくてたまらない社長が多かった。

いつできるんだ?そろそろ見られるのか?やれまだか?おそいぞ、など言われ放題w

WEBサイトを構築する、ということが一般的に知れ渡っていない時代。説明はするのだけれども、すぐできる、と思われていたのかなぁ。どうにも理解されない。

う~ん。これはどうしたものかと考えた。

仮アップロード

そこで、スケジュールに「仮アップロード」なる日を設けてみた。

通常、サイト制作は、いきなり本番サーバーで構築するのではなく、手元のPCにローカル環境を構築してそこで開発する。できあがったら本番サーバーへアップロードするのだ。

それをまだ制作途中の段階でアップロードをやってしまおうという「仮アップロード」作戦。

できとるできとる!

ところどころデザインがコーディング(組込み)されていないし、白紙のページもあるし、リンク切れはあるしで、明らかにザ・途中である。

住宅に例えれば、骨組みはできているけど、窓ガラスは入っていないし床はないしで、とても人が住める状態ではない建築中のそれである。

この状態で世間様に見られたらおおごとなので、閲覧パスワードをかけて顧客にだけ見せた。

社長「おーーー!できとるできとる!」

上機嫌である。よかった、とりあえずはホッとする若き日の私。できそこないのちんちくりんなサイトでなぜこんなに上機嫌なのかはよくわからなかったが、とにかくホッとした。

しかし、そのあとえらいことになった。

その社長、あろうことか、おい!みんな見てみろ!わが社のサイトだぞ、と社内に声をかけたのである。
その声を聞いて、PCに群がる社員のみなさま。

やだ!やめて。全然できてないのよ。は、恥ずかしい!きっと社員のみなさんは絶句するに決まってる……。私が帰ってからにしてってば!いやぁーー

ところが、

「お~いいっすね」「楽しみだなぁ」「こうやって作るんだぁ!はじめて見た」「サイトを持ってるなんて、うちの会社は最先端だな」と口々に楽しそう。

あ、あれ?そんな反応?

社長「井元さん!こりゃ楽しみだわ。完成まで頼むで~」

期待に応えて毎日アップロード

その後も(どこまでできたかなぁ)と社長が閲覧しては「井元さん進捗はどう?」と電話をかけてこられるので、期待に応えねばと作業のたびに毎日アップロードしていた。おかげで作業工程が多くなり、超めんどk……大変である。

ただね、こちらの想定以上にお客さんが喜んでくれるのよ。完成の日にいたってはそれはもう感嘆の声をもらえる。井元さんいいね!サイコーだね!と、うっかりその日が会社の記念日になるのかなってくらい。

当時、それくらい「仮アップロード」は大事だった。

あれから17年の時が過ぎた。とにかく途中経過を知りたい、という社長はほぼおられなくなった。

いいモノを作ってほしい、ユーザーに役立つサイトにしてほしい、といった要望の方が重要視されているように思う。WEBサイトを構築する、ということが一般的に知れ渡ったようで、その先を見据えたご意見をもらうことが多くなってきた。

ただ、せっつかれることはなくなったものの、いいモノを作られねば……と目に見えぬ強いプレッシャーが私を襲い、胃薬が欠かせないw

そうは言いつつもまだ「仮アップロード」は必要だろう、とスケジュールに入れていた私。いつものように制作途中の段階でアップロードをしたある日、事件が!

なんですか、これ?

この日も、ところどころデザインが未コーディングで、白紙のページがありーの、リンク切れはありーの、ザ・途中で仮URLをお知らせした。

社長「……井元さん。なんですか?これ」

困惑顔である。私も、え?となり、一瞬なにを言われたのか混乱している私。できそこないのちんちくりんなサイトを前にPCを挟んで顔を見合わす社長と私。

社長「これ、まだ途中……ですよね?」
私 「はい。途中ですね」
社長「これからよくなるんですよね?」
私 「はい、よくなりますね」
社長「……」
私 「……」

あ、あれ?そんな反応?

社長「井元さん……仮アップロードはほぼ完成してからで大丈夫です(笑)」

えーー!完成してからでいいの?ちんちくりんのサイトをドヤ顔で見せている私って……は、恥ずかしい!社長苦笑いしているじゃないのよ……。帰りたいーー、誰か穴を探して。

時代は変わった

ということで「WEBサイト制作の歴史。今昔物語」を書いてみた。

途中だと全体像がつかみにくいから、ほぼ完成してから見せてほしい、と最近はよく言われる。なるほど。時代は変わった。それくらい、WEBサイトというものが浸透して途中経過を知る必要がなくなったのかなと思う。

ふと思い出した。マイホームを建てるとき、昔は、毎日建築現場に行って写真を撮ろう、となにかの雑誌に書いてあった。天井や壁や床の中は手抜きをされやすいから、というのがその理由。

でも今では建売住宅が増えたよね。建てた家を買うんだから、天井や壁、床の中がどんな構造でどんな材質を使用しているかわからないけど、みんな安心して買う。

そうか、これと一緒か。

長年かけて、WEB制作会社の社会的信用度が上がったということか

いいことだ。

ということは17年前は信用度が低かったのか?

それは考えないようにした……。


PHP8にするとWordPress激速になるよ~。契約しているサーバーが対応していたらすぐやってみよう!

でもXOOPSはやったらダメよ……。真っ白になって、もれなくあなたも真っ白になるので、PHP7までにしてね。

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