顧客の社長との会食の席。もし友人から注文があったときの商品価格はどーする?、という話題になりました。
直接ケータイに「買いたい」と電話がかかってきて、それはありがたいんだけど、その次にはだいたいこのセリフ「安くしてね」とくるんだそうです。

私ね、お友だち価格、ってきらいなんですよ
え?私も!超わかる~!激しく同意です。

私もきらいですよ。あれ、言われると困るんですよねぇ……
と意見が一致。やや気が合いますなぁ~、と盛り上がり、もう今夜は飲んじゃいましょう!、とこの日数回目の乾杯をして、べろべろになってゆきました。
創業当時のみなさんからの応援
井元デザイン工房の創業当時、まだ仕事が少なくてがんばっていたとき、たくさんの友人が助けてくれました。注文をくれたり、紹介をしてくれたり。こちらが出した見積もりに文句も言わず、むしろ、がんばれ、の言葉も添えて。
めちゃくちゃうれしかったし、応援してくれている人たちのためにも絶対事業として成功させよう!と力になりました。
特に注文をくれなくても、仕事のほうはどう?、と会うたびに声をかけてくれる友人たち。そのひとつひとつの気遣いが、孤独に事業をやっている身からすると、想像以上にうれしいんですよ。
“お友だち”という名の地雷
でも、過去には、ちょうどいいわ、安く利用してやろう、という友人社長もいました。

一度会社に来て、と呼ばれ(友人とはいえ、これはビジネスじゃ。ラフな格好じゃいけん、失礼にあたるからの)とちゃんとスーツをビシッと着てネクタイを締めて訪問しました。
ちょっとこれを見てくれん?ここ教えて?今直せる?、と発注をにおわせながら商談は進むんだけど、途中からどうも様子がおかしい。
2時間ほど経ったころ
「いや~助かったよ。このサイトの不具合、どうしようかと思ってて。井元さんがいてラッキーだったわ」
え?終わり?発注は?
そこでハッと気づきました。
そういうことか……。私からタダで情報を得て、私の技術を無償で利用しただけじゃったのか。
当時の私。情けないことにそのときようやく理解しました。
「このまま帰ってもらうのも悪いねぇ」とキョロキョロする友人社長。
「そうだ!これ持って帰ってよ」とテーブルに置いてあったお菓子をおもむろにつかんで差し出されました。
チョコレートで買われた技術
帰り道、行き場のない怒りと情けなさがごちゃまぜになっていました。
(毎日勉強して得た私の知見と技術はこのチョコレートで買われたのか)
手のひらのお菓子を見つめて、家に着くころには泣きそうでした。くやしかったな……。
余談ですが、捨てると思いきや、お菓子に罪はないな、と全部平らげましたw
本当の友だちなら「適正価格で」
WEBの技術や知識って、カタチあるモノではないから、当時、これくらいたやすいでしょ?と軽く見られがちでした。これが車や電化製品だったらそうはならないですよね。ちょっとちょうだい、と無償で商品の提供とはなりません。
前述の友人社長は、お友だち価格どころかそもそも1円も払ってくれていないんですが、もし、本当の友だちなら、こう言うと思うんですよね。
「適正価格でいいからね!」
だって、友人ががんばっている商売を応援してあげたいじゃない。
少しでも売上に貢献してあげたいじゃない。
そこはやはり人と人。受注した側は、価格ではご期待に沿えないかもけど、ほかのことでなにかしらお返ししてあげよう、と思うのが人情なんですよ。いただいた恩に報いる。私の思う商売です。
お友だち価格、の呪文にご注意を

場面は戻って居酒屋。
友人だからって安くすることは、あまりしない私。どうしても安くして、という友人には、安売り制作会社を紹介してあげちゃいます。だって、本当にそっちのほうが安いんだもの。
(この考え、ちょっとおかしいかなぁ、なんか冷たいかなぁ)と常々思っていましたが、すぐ近くに同じ考えのかたがおられましたw

その気持ち、わかります!私も他社をおすすめしちゃうなぁ
ほかにもいろいろ意見が合って楽しかったなぁ。U社長、また飲み語りましょう!
コメント