さあ、今夜もこのコーナーがやってきました。
『ワレ、なにパクリよんなら』
このコーナーは立場の弱いクリエーターさんから搾取してやろう、というトンデモな輩から、井元のアドバイスで救って差し上げよう、というコーナーです。
技術があって才能があってワクワクさせてくれるクリエーターさんが、ちょっと商売上のノウハウがなかったがために、心ない人間にいいようにされる。私はそれを見てられません。私の正義感でやっているコーナーでもあります。
世の中にはいい人ばかりではありません。いい人ぶってどうにか利益を得てやろうという輩もおります。
本日は取引先の担当者がその輩だった、という、横浜市在住のイラストレーターAさんからのご相談です。
ちなみに、コーナータイトルの『ワレ、なにパクリよんなら』は、数年前に発生したイラストパクリ事件の法的闘争をしていたとき、ブチ切れた私が吐き出したワードでございます。
かわいい啓発アイテム、キーホルダー
フリーランスでプロのイラストレーターであるAさん。そのかわいいイラストは評判でファンもたくさん!デザイン技術も高く、ポスターや雑貨などイラストを用いた制作物がクライアントに好評です。
ある啓発活動の一環で、世の中にわかりやすく広めたい、と思い立ち、オリジナルイラストを描いたキーホルダーを作成しました。
X(旧Twitter)に写真付きで投稿したところ「私もほしい!」「共感しました!」「活動に協力したいです!」と、Xのフィードにはフォロワーさんたちの購買希望の声であふれました(すごい!)。
井元も拝見。イラストだけでなく、キーホルダーの全体の図柄も超かわいくデザインされていて、さすがプロ!誰かにプレゼントしたくなる、かつ啓発アイテムにもなる、素敵なキーホルダーでした!
商品化決定!
そこで、Aさんは本格的にグッズ制作会社へ依頼して、オリジナル商品としてキーホルダーを注文することにしました。その投稿にフォロワーさんたちは、楽しみです!と大喜び。
そこへ同じく投稿を見たB社の担当者がメッセージを送ってきます。B社はAさんの取引先でいつも発注してくれ、お世話になっている広告代理店。
弊社のキャラクターを入れてください
いいイラストですね!お手伝いさせてください。キーホルダーの制作料金はうちが出しましょう
Aさんはびっくり!
制作料金を出してもらえるの?でも……なんで?
そのかわり、キーホルダーの図柄の中に弊社のキャラクターを入れてください!
輩だった取引先の担当者
みなさん、この物言い、Aさんに対して、まったくリスペクトがないのがおわかりでしょうか?
B社担当者からしたら、自社のキャラクターが目立てさえすればいいわけだから、Aさんのイラストなど正直どうでもいいわけです。他人の商品人気へのタダ乗り。
制作料金を負担する、と言っていますが、たいした金額ではないし、純粋にお手伝いをしたいのなら、お金だけ出せばいい。B社キャラクターをねじ込む必要はないわけです。最初っからタダ乗りが目当て。自分勝手もはなはだしい!
しかも、B社はAさんに普段から案件を依頼する立場ですよ。Aさんからしたら(もし断ったら今後仕事をもらえなくなるかも……)と断りづらいのを承知の上で言ってきているわけです。
まあ~なんて卑劣な輩だこと!
同じようなタダ乗り依頼を、B社担当者は自社より規模の大きい企業に持ち掛けますか?否。立場の弱いイラストレーターだから言えることですよね?
そんなにB社のキャラクターを売り込みたければ、自分たちでキーホルダーを制作すればいいだけのことです。自分たちに販売力がないのを棚に上げて、下請けであるAさんに、よし!タダ乗りしてやろう、としたわけです。
ワレ、なにタダ乗りしよんなら
悩みに悩んだAさんは、井元に相談してくれました。
相談当初は、なんかモヤモヤするけど具体的になにがいけないのか難しかったAさん。私が上記を説明したら「それです!それです!」と膝を打って、
「そう!私と作品をバカにしていますよね?やっと言語化できたぁ~」
その後「うまいこと言って断ります」とAさん。
あとで聞いたら、穏便に事が済んだようです。よかったよかった。
でも一歩間違えば取引を切られたり、報復的に取引停止にされる可能性もあったわけですよ、まったくひどい。
フリーランス・事業者間取引適正化等法に条項追加だ~
先日施行されたフリーランス新法。あらたに下記条項も追加してほしいですね。
発注事業者の立場を利用した押し売り要請
金銭を一部負担してやるから、弊社のこれを売れ、または抱き合わせをしろ、と押し売り要請をすること
タダ乗り禁止だ!
届け~!公正取引委員会と中小企業庁の中の人。よろしくお願いします。
コメント