「著作権譲渡が条件」の前に。担当者さんちょっと勉強しよっか

KIDS CRIC グラフィックデザイン

イラストやデザイン制作の注文で最近増えてきたのが「著作権譲渡」が条件に入った案件。特に発注元が地方自治体の場合によくある。

このブログの読者のみなさんにはおなじみ、著作権。本来、作者つまりイラストレーター・デザイナー本人に帰属します。注文を受けたら、WEBサイトやパンフレットとか、使用範囲を明記して契約書を交わします。のちのち、広告とか他で使用するときは二次使用料をいただいて使用してもらいます。著作権は法律で定められていて、著作者が自分の利益を守るためのれっきとした権利です。

ところが県や市といった自治体は、この権利を寄越せ、という条件を入れるわけですね。この条件がのめないなら発注しない、とまで言ってきます。それはなぜか。

これには伏線があって、いっとき、知識を有しない担当者がイラストなどを無断使用、作者本人に指摘され損害賠償を支払う事件が全国の自治体で増えました。おそらくそれが原因と思われる。

訴えられたら大変だ・・・そうだ!著作権を譲渡させればいいんだ。

いやいや違うでしょ、もうアホですか?(暴言失礼!)そうじゃなくて、制度を順守しよう、でしょ。使うたびにちゃんと二次使用料を支払うようにすればいいだけ。なにも難しくない。どれだけ短絡的なんだ。

デザインを発注する人が著作権を知らないと超ハズイよ

そんな地方自治体の担当者のみなさま向けに役に立つWEBページがあります、これを読んで勉強しなさい。子ども向けです。

著作権とはどんな権利?(KIDS CRIC)

著作権制度は、このような著作物を生み出す著作者の努力や苦労に報いることによって、日本の文化全体が発展できるように、著作物の正しい利用をうながし、著作権を保護することを目的としています。

~中略~

私たちは著作物を利用したり楽しむことによって、文化的に豊かな生活をおくることができ、その結果、文化が発展するという大きな流れを生み出しています。

著作権とはどんな権利?(KIDS CRIC)

つまりね、著作権譲渡しろ、と強要することは、

文化の発展を妨害している

と同義語なのよ。自治体には文化振興課ってのがあって、文化芸術活動を発展させるのも大切な仕事。その自治体が率先して妨害するような契約をしたらダメでしょ?担当者のみなさんにおかれましては、著作権とは何たるや、なんのためにあるのか、を根本から勉強することをおすすめします。知識もない人がデザインを発注したらダメです。業界の敵。

著作権譲渡を続けたらどうなるか

ここまで勉強なさったらようやく私の書いていることが理解できると思う。著作権を軽く扱った発注は、

作者のこれまで培ってきた技術に対してなんらリスペクトをしていません

と自ら言っているようなもの。以前書きました。

イラストレーターのイラストのクオリティーってね、これまで長年積み上げてきた技術の積み重ねと、絵の勉強、努力により成り立っているものなのよ。その高い技術に対してクライアントはお金を支払ってくださいます。

リスペクトのない発注ばかりしているとね、そのうち著作権さえ理解していない低レベルなイラストレーターやデザイナーばかりしか来なくなるぞ。そうなると困るのはみなさんですよ。

著作権譲渡代金は高い

ときどき、著作権を譲渡してもらっておけばお得、と銭勘定で語る担当者がみえますが、イラストレーター・デザイナーは「著作権譲渡代金」をちゃんと計上してご請求します。二次使用料を見越した金額を算出するので、お得どころかけっこう高くなることもしばしば。決して譲渡はタダではないし、安上がりになることもない。

使用料を支払うのとどっちがお得?

デザインされた成果物を使用する場合、たとえばポスターや乗り物のラッピングなどなど。印刷部数が多かったり施工が必要なものは、結局プロのデザイナーに制作を依頼するようになることがほとんどです。県や市の大きな予算がついたプロジェクトだとなおさら。そうなると制作料金がかかるから結局都度使用料を支払うのとそう大差ないわけ。

メリットがあるとすれば、う~ん・・・せいぜい予算がつかなかった手配りレベルのチラシ制作くらいじゃない?担当部署の職員さんが素人レベルで使用するときとか。そうないと思うんだよね。

著作を主張する権利

さいごにまとめ。「作者にとって著作権とは?」はい!みなさんご一緒に

「著作を主張する権利」

です。だからですね、そもそもデザイン制作を依頼する際には、

発注側にそれを譲渡させる権限はありません。

今日は著作権制度について解説してみました。世の中の人たちに、そうだね!著作権制度って大事だよね、と認識してもらえたら幸いです。

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