ここ2年ですすんだテレワーク。特に影響を受けたのは「営業職」じゃないかなぁ、と思う。
かくいう私、リーマン時代はイケイケどんどんの営業マンでした。当時とにかく「足で稼ぐ」と教えられて(しごかれて?)これでもかというくらい訪問していました。上司に「ガソリン代のことは考えなくていい」と言われたのを思い出すw
それがまさか「訪問するな」という時代が来るとは・・・。
でもこれがスタンダードになった今、営業のありかたを根本的に考え直すきっかけになったよね。
テレワークを解除する企業が増えてきた
一気にすすんだかと思われたテレワークですが、ここのところ解除して従来の出社するスタイルに戻す企業が増えてきたそう。
「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」調査結果を取りまとめました(東京商工会議所)
だいたいそういう企業は、とにかくテレワークだ~、と一気にゼロにしたのではないか、と思う。
先日書きました。
出社日数や人数ではないのよ。業種によっては対面が絶対必要な場合もある。営業職はほとんどそうでしょう。
業務で分けるべき。たとえばこれまで全部が全部訪問していたのを、商品を見せたり機械のデモだったり重要な打ち合わせのみ顔を合わせる。資料・部品の届け物や簡易な打ち合わせ、最終の契約書、集金などこういうのはデジタルでできるよね。これは双方にとって時間短縮で有益。
テレワークには2種類ある。出勤者7割減にモノ申す!
何でもかんでもテレワークというわけにはいかない。特に営業職。見込み客にとって訪問したほうがわかりやすい、など、契約を取るために必要であれば手段を使い分けて、オンラインか訪問か選択すべき、と思う。ゼロか100かじゃなくてね。臨機応変にできないところって日本っぽい・・・。
肝は「提案」と「クロージング」
私はディレクションや制作だけでなく、営業職も兼ねています。新規案件の獲得や契約、そして打ち合わせも大事な仕事。そんな私がここ2年やってみたなかで、ここはオンライン、ここは訪問、みたいなのがだいたい使い分けられるようになってきたので、まとめてみました。
「提案」は対面
私ね、大きな案件の最初の「提案」は顔を合わせた対面のほうがいいなぁ、と思うの。
モノやサービスを売るとき、見込み客となる企業にメリットがあるかどうか。これとっても大事で、弊社のサービスを導入してもらうと御社にこんなメリットがあるよ、というのを、商品や資料、デモ環境を用意して「提案」に上がって「いい案だ!」と思ってもらいたい。
中小零細企業だと提案するお相手は社長が多い。営業マンをやっている人ならわかると思うけど、提案しているときの社長の反応を伺うのってすごい大事じゃない?それこそ社長っていろんなタイプのかたがいて「お!それいいねぇー。よし契約!」なんて超わかりやすい社長だったらいいけど、まあそんな人はなかなかおられないw
- うんうん、とうなずく
- ずっと沈黙している
- なにか考え込んでいる
- いいのか悪いのか表情が読めない
- 短い言葉で表現する
- …etc
私の提案を受けて、自社にどんなメリットがあるか?費用対効果は?などなど、社長はさまざまなことを一瞬で考えて決断する。
営業マンはその反応を見て、いい!と思っていただいているのか・・・、それとも、いいんだけどなにか不安な点があるのか・・・、はたまた費用が高すぎるのか・・・などを目と雰囲気で感じ取ります。
不安点があればヒアリングをして取り除いてあげたいし、費用面なら解決策を見つけてあげたい。いい契約をして両社ウィンウィンになれるよう探っていくのは、営業マンの腕の見せ所。
だから「提案」段階ではオンラインより断然対面がいいのでは、と思っています。
Zoomでの提案
最近増えたZoom。便利なんだけど、提案段階での使用は、私的にはなかなか難しかった。
まずZoomだと表情がわからない。さっき書いたようにさまざまな反応を示される社長の雰囲気が感じ取れない。
果たして私の提案は刺さったのか、それとも的外れだったのか、はたまたいいけど改善の余地があるのか。Zoomの場合、そこをお互い「言葉」にしないといけない。お互いの意図が合致しにくい。
たとえば、ずっと沈黙していたとしても、必ずしもそれはダメってことではなくて、思考に入ってみえることもある。どっちなのかという雰囲気が、対面だと感じ取れるところが画面越しだと難しかった。
余談ですが、場を和ませようとクスッと笑えるネタを話しても、Zoomだと笑ってくれているのかがよくわからない・・・。特に同じ画面に数人おられるパターンだと表情がほぼ見えん・・・。(ウケた?スベッた?)そのまま次の話題にいかれて(うわ~)と凹むw
クロージング
最終決定をいただくクロージング段階。大きな見積り金額を了承していただき「ありがとうございます!これからよろしくお願いします」
これは面と向かって社長に言いたいかなぁ。もちろんオンラインでもいいんだけど「目標に向かってがんばりましょう!」と(握手しながら!?)目を見て言いたいから、クロージングは私は面談。
オンラインのいいところ
もちろんオンラインはいいところ盛りだくさん。打ち合わせはチャットと電話で全部いけるし、必ずしもビデオ通話でやる必要もない。これまでは30分の打ち合わせに移動往復2~3時間とかざらだったから、これは素直にサイコーです。わざわざスーツに着替えて、とかもしなくていいしね。(ちなみに私はZoomの時、上は襟付きシャツを着ていますが下は短パンです。←ひどいw)
その分、提案資料や見積書など事前準備や事前送付することが重要になる、と思っています。口で説明する機会が減ることから「見て一発で理解できる」資料作りは、より現代の営業活動に求められる。
社長に会うと元気をもらえる
あともうひとつ私には対面したい理由があって。それは、訪問先の顧客の社長に会うと「元気をもらえる」から。
私の営業活動って、単に契約を取るためだけではなくて、社長から業界の話を聞く、これも大事な仕事なんだよね。ほぼ雑談みたいなものなんだけど、業績の話から始まり、現状の話、今後の展開、今不安に思っていること、などいろいろ会話をする。そうすると不思議に元気をもらえる。(よし!私もがんばろう)スイッチが入るというか。自分に不安な気持ちがあったとしてもきれいに払しょくされるというか。
反対に社長のほうから「こんな話、従業員にはできんし井元さんに話せてよかったわ」と言ってもらえることもよくあるから、社長のみなさんももしかしたら同じことを思ってくれているのかもしれません。
オンラインにはオンラインの、対面には対面の、それぞれいいところがあるよね。この機会に営業のありかたを見つめ直す、考え直すきっかけになったのはとてもよかったな、と思うこの頃です。
おまけ
最近、昔馴染みの同世代の社長のみなさんとの会話でよく出てくるフレーズ。
私「取引先の社長が最近みんな年下になってきたんですよ~」
社「わかる!私もお客さんが自分よりずいぶん若くなった!」
二人「お互い歳をとったなぁ~(笑)」