営業職時代、外回りから戻ると、まず事務所の隅にある、井元ボックスを確認するのが日課でした。
井元ボックスとは僕用の箱の事で、毎日戻りが夜遅い為、外出中に送られてきた僕宛ての注文書やFAXの書類なんかを、事務員や同僚が、帰る前に入れておいてくれる箱なんですね。
僕のボックスの他にも、同じ物が営業の人数分並べられているんですが、性格がよく出るもので、ずぼらな人のボックスは「いつから見てないんだろう」と苦笑しそうな、溢れんばかりの書類の束があったものです。
現代では、やっぱりメールでやり取りするのでしょうか。一人一台ノートパソコンを持って、外出先でチェックですかね。
まさかの井元ボックス
岡山県総社市のあるお客様の事務所にお伺いした時の事。定期的に更新作業のご依頼を頂いておりまして、2〜3ヶ月に一度、お打ち合わせに伺っている会社です。
いつものように玄関から入ると、社長が一言。
「井元さん、これ作っといたから。今度から、来た時は見てってくれんかぁ」
指差されたデスクの脇を見ると、みかん箱くらいの半透明なプラスチックボックスが置いてあります。表には大きな名札が貼り付けてあって、何やらマジックで書いてあります。
近づいてよく見てみると、
「井元デザイン工房」
あ、井元ボックスだ(笑)
まさかの井元デザイン工房ボックス!!!お客様の事務所でお目にかかるとは。
思わず噴き出しそうになるのをこらえて、懐かしい気持ちになった僕でした。
僕井元が来た時に渡す書類、その時についでに聞くメモ等々、忘れないように日々入れて頂いているようです。