「想い」を広める広報とは。啓蒙からブランドへ

広報

私、日ごろからいろいろな業種の中小零細企業の社長とお話をすることが多いのですが、みなさん商売とは別に大なり小なり「想い」があるように感じています。

ある小児向け医療機器の販売店では、間違った情報で子どもたちの健康が損なわれないように、正しい使い方や検査など、保護者のみなさんに日々啓蒙しておられます。

またある食品メーカーは、第三者機関で認証された安心で安全な商品を中心に販売しています。

またある法律事務所は、悩みを抱えた子どもと保護者のために、子どもの法律に寄り添った情報を発信しています。

共通しているのは、利益の追求とは別に、啓蒙活動をしている点です。

昔からの業界慣例や古い常識により、ユーザーが間違って思い込んでしまっていること、世間一般ではこう認識されているのだけれど、現代ではそれは正しくない、といったことは実は世の中にたくさんあります。

それを、日々啓蒙活動としていろんな形で一般ユーザーへ届けてみえるのです。

極論を言えば、別に啓蒙をしなくったって商売にはなんら影響もないし困ることもない。でもやはりその業界にいる以上放置することはできない。

その社長の「想い」があふれて、活動につながっているのです。想いって大きいんですよね。

社長の信念を広報することが企業を育てる

こういう一本筋のとおった信念みたいな「想い」にものすごく共感します。そして、それを必ず会社として広報するべき、と思っています。社長の胸の内だけでなく、顧客や一般ユーザーに届けなければならない。そう思っています。

顧客や社会のための「信念」や「想い」って、選ぶ側である取引先や消費者にとってものすごく大事な要素になります。なんだったら商品・サービスよりまずは大事かもしれません。

社員に響く「想い」

WEBサイトやSNS、リーフレットなど、媒体を活用して広報すると、もうひとついいことがあります。それは、

自社の社員にも多大な影響を与える

ことです。

顧客への広報支援は長期間かけてやっていきます。

最初は、担当社員が社長の言葉をもとに広報していくのですが、数年経ったころになると、担当社員の口からもその「想い」が語られるようになり、やがては、社内への内向きの対応ではなく、エンドユーザーに向き合う発言に変化していきます。

おそらく、社長と私井元が、その「想い」を数年かけて広報している姿を横で見ていて、(あ~なるほど、うちの会社はこういう方向に向かっていくのね)と、社員はわかってくるからだと思います。

つまり顧客視点というやつです。

社長に近い社員からじわじわと全社にまで「想い」が伝わったのを目の当たりにしたとき、私はようやく、広報支援の結果が出た!と思うのです。

社員がつないでいく

全社に「想い」が伝わってくると、井元の出番が減ってきます(汗)

どんな啓蒙活動をすればエンドユーザーのためになるか、どんな内容なら役に立つのか、社員のみなさんが理解しているので、自発的に広報活動が始まります。

井元が進言しなくても、「この情報を出したいと思っていますが、井元さんどうですかね?」と質問がきます。もちろんOK!そのうち井元がヒマになって……。いやいや、いいことです!

当店で注文してくれなくてもいいから、気にしてくれたらいいな

前述の子ども向け医療機器の販売店の社員Aさんがこうおっしゃいました。

「たとえ当店で注文されなかったとしても、保護者の方が正しい使い方や検査を気にしてくれたらいいな!」

その奉仕の心に井元は感服……!

自社の利益だけでなく、「想い」を持っていないとこの発言が出ることはまずありません。それは、いずれ必ず自店舗のブランディングにつながります。広報ではすごく大事なこと。

社長の「想い」が社員、そして企業ブランドへ

広報は、エンドユーザーへの宣伝、だけではありません。

社員にも伝わる。
社員が「想い」を共有する。
「想い」をもってエンドユーザーと向き合う。

広報はとても奥が深いのです。

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