娘のやる気スイッチを探せ!(宿題をやっていたのは私です)

漢字ドリル 子ども

小学一年生のときの娘。学校のことを自分ではなにもしない子だった。

毎日のように「宿題しなさ~い」「明日の学校の準備は?」と声掛けをする妻と私を尻目に「え~めんどくさい!」とお絵描きに夢中。

理由はたったひとつ。めんどくさいのみ。笑っちゃうくらい潔い。

やる気スイッチを探せ

Amazon売れ筋ランキング上位の子育て本によると「ほめて本人のやる気を出させよう!」「お父さんお母さんが一緒にやってあげるといいですよ」と書いてあったので、なるほどと夫婦で試してみた。

「もう一年生だもんね!よ~し、自分で時間割を見てみよっか」
「宿題はどれ?お!連絡帳ちゃんと書いてきてすごいじゃん」

ふと気づくと夫婦だけでやっている。おい!お前が主役だっちゅーの。画家の筆は止まらない……作品作りにお忙しいご様子。笑っちゃうくらいまったく響かなかった。

こちらが何もしないと次の日もそのまま前日のランドセルを背負って登校する始末である。「宿題・準備」という行為に対して、「めんどくさい」という気持ちが勝るらしい。つまり、やりたくないからやらない。

うん、ものすごく潔いぞ。娘よ。

もう親がやってしまえ!作戦

かと言って、「宿題しなさい!」「明日の学校の準備をしなさい!」と頭ごなしに言うのはしたくない。毎日言われるほうもイヤだろうし、そもそも本人は「めんどくさい」からやらないのである。親の言うことを聞きなさい作戦では響くはずがない。それに言う我々のほうも疲れる。

どうにかうまい方法はないかと、夫婦で知恵を絞る。う~ん。

あんまりいい考えが浮かばないので、親のほうもだんだんとどうでもよくなってきた。本人がやる気がないのになんで親が一生懸命にならんといけんのだ。もうやけくそになって、妻と私とで勝手にやってしまえ!作戦でいくことにした。娘の代わりに全部親がやってあげるという、過保護全開の作戦である。

学校から帰ってきた娘に、

「今日は父ちゃんが、明日の準備をしとくね」と声をかけると、え?いいの?とばかりに「うん!」と喜ぶ娘。そんなにイヤだったのか。

ついでに「宿題もやっとくね」と言うと、もう飛び上がらんばかりに大喜び!

ということで、

実は、私が娘の宿題をやっていました

たとえば漢字の書き取り。上手にかつ小学一年生が書いたかのように寄せて書くのはなかなかコツがいるのだ。しかも同じ漢字で延々とマスを埋めていくのである。草草草草草草草草草草草草草……つらい。

とうちゃん、わかる?

それから一か月ほど準備と宿題の代行をやっていたら、そのうち娘に変化が出てきた。

この日も連絡帳を見ながら、明日の時間割の教科書をランドセルに詰めていたら、娘が横に来て、

「とうちゃん、きょうかしょはね、これとこれよ」

と自分で詰め始めた。

宿題を広げて書いていたら、

「とうちゃん、かくところわかる?」

と私から鉛筆を取り上げて書き始めた。

い、いつの間にか本人がやっている!

できるところを見せたい!

どうやら、娘の中で、大好きなお父ちゃんとお母ちゃんにできるところを見せたい、いいところを見せたいという心理に変わっていったようだ。これは効果あり!妻とこそっとハイタッチを交わしたのだ。

どうにかしてやらせよう、ではなく、180度考え方を振り切って親がやる。これけっこういいわ。もし同じようなことでお悩みの親御さんがおられたら、もしかしたら解決するかもしれない。ぜひお試しあれ。

余談ですが、あとで娘に聞いたら、私が準備をした次の日は、忘れ物が多かったのだそう。ひどいときは教科書が入っておらず(おとうちゃん、またわすれた)と思っていたらしい。いや、そう思ったんなら自分でやれよ……。

なにはともあれ、娘のやる気スイッチをみつけて、無事解決したのだ!

おまけ

ある日、担任のM先生から返ってきた私の漢字の宿題にでっかい赤い花まるがついていた。くわえて「とてもよくかけています!」のコメントつき。

おぉ~気分がいいじゃないか。実は昔習字教室に通っていたので自信があるのよ。フフッ。よし!私の美しい字をもっと披露するかとこの日もはりきって書いた。

次の日返ってきた宿題には、赤ペンで直しがびっしりと入っていた……。「とめ・はね・はらいにきをつけましょう」

は、恥ずかしい……!アラフィフのおっさんが、20代の先生から赤ペンである。しかもはりきって書いたのに、である。

今思い返すと、赤い花まるは先生からの「警告」だったのかもしれない。よく考えたら、毎日子どもの字を見ている先生が大人の字を気づかぬはずがない。(ん?これは本人が書いてないな。まさか……やりやがったなバカ親)

あの花まるは(これ以上やるなよ……!)M先生が私に釘を刺していたのだ。そんなこともわからず二重花まるに喜び、あろうことか俺の美字を見せてやるぜ、と調子ぶっこいていたおっさんをどうかお許しください。ついでに言えば算数の宿題は妻でした。この場を借りてお詫び申し上げます……。

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