数年前に開講しました、芸術・アート系デジタルクリエイティブなプログラミング教室『Pikatto Palette(ぴかットパレット)』。Springin’(スプリンギン)を使った、子どもたちの創造力や表現力の成長に特化した教室です。
記念すべき1期生のK君とI君は、レッスンごとに目を輝かせてわき目もふらずゲームを作り、どんどんクリアしていき、数か月経つころには、Springin’開発会社さんから提供されたオリジナル教材が底を尽いてしまいました。もう、それくらい子どもたちの習熟スキルが高くて高くて……!
教室の運営も軌道に乗ってレッスンを続けていたのですが、残念ながら、この春で閉講とあいなりました……。
続けられなくなった理由は、われわれではどうしようもない事案で……。今となってはしかたないですが、楽しく通ってくれていた生徒と保護者さんには本当に申し訳なかったな、と思います。
振り返るいい機会ではあるので、数年やってみて思ったことを書いてみようと思います。
『Pikatto Palette』を開いた経緯
そもそも始めようと思ったきっかけは、以前ブログに書きました。
子どものことを真剣に考えたサービスをやってみたくなりまして、ぜひ事業としてトライしたいなぁ、といろいろ準備をしていました。本業がWebやデザイン制作などクリエイティブだから、子どもたちの創作意欲を育むようなものなんかいいかも、とか。
ものすごい可能性を秘めたアプリ『Springin’』に魅せられたのも理由のひとつですね。
通常、新規事業を始めるときは、コストや利益、継続性など、リスクをとりながらも成功するよう検討します。
でもね、この教室を開講するにあたっては、なぜか私、そこまで考える気にはならなかったんですよね。利益を上げようとか、事業として大きくしよう、もうけよう、みたいな気持ちが、なぜだか全然湧きませんでした。
始めたばかりのとき、仲の良い顧客の社長にこの話をしたら「いい事業だね。でも井元さん、赤字はダメよ~」と言われて、そりゃもっともだと思いました。もしうまくいかなくて赤字タラタラという結果になった場合、通常なら続けることはしないでしょう。だけど、そのときの私は、なぜだか、もし赤字になってもやめる気はまったくなかったのです。
(こう考えるのは事業者としては失格だよなぁ。でもやめる気はないんだよなぁ)長らく、この気持ちが言語化できなかったんだけど、ある動画を観て、ナットクがいきました。(あ!この感覚だわ)
利益じゃなくて投資をしたかった
閲覧した動画は、私の好きなコテンラジオのこの番組です。
この日は「コミュニティーナース」の回でした。内容については、ここに書くのはちょっと大変なので、動画を観てもらえるとうれしいのですが、その中でパーソナリティの深井さんが「株式会社はココ(コミュニティナース)に投資をしないといけない」と言われました。
要約すると、株式会社が投資をするときは利益のためにするものだけど、それだけじゃなくて、利益にとらわれないものへも投資をする。
私、めちゃくちゃ共感してしまったんですよね。まあ、弊工房は株式会社ではないんですけどw
そして、自分がプログラミング教室に投資したのは、これと同じ感じだーー!と思ったのです。もちろん、規模も違うし、金額も違うから、一緒くたに考えるのはちょっとおこがましいですけど。
行政(学校)で上手く実現できていないプログラミング分野を、
私たちの教室を通して促進させることにより、地域と子どもたちに投資したい
私がしたかったことは、これだったんだ!ようやく言語化ができたのです。
K君の創造は続いている
結果的には、残念ながら、プログラミング教室『Pikatto Palette』は閉講となりました。
講師である妻が閉講の旨と理由を保護者の方に伝えたとき「いろいろ大変だったね」と気遣ってくれたと聞きました。生徒のK君(小3)はお母さんから閉講を聞いて号泣したそうです。
楽しかったんだね、楽しみに通っていてくれたんだね……続けてあげられなくてごめんね。
後に聞いた話だと、彼は今でも熱心にプログラミングゲームを作成しているそうです。
『Pikatto Palette』で学んだ創造力やプログラミング思考が、君の人生に少しでも役に立つことがあったなら、私は本望だよ……。がんばれ!K君。
地域と子どもたちへの“未来投資”
最後に関わってくださったみなさんに、お礼を言わせてください。
これまで参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。生徒のみなさんと過ごした時間はかけがえのないものであり、楽しく学ぶ姿を見て、私たちの方がいつも励まされておりました。これまでのご支援に心より感謝申し上げます。
いつかまた、地域や子どもたち、社会に投資したい!と思えることに出会ったとき、再度事業立ち上げにトライしてみたいと思っています。
これからも井元デザイン工房の応援をよろしくお願いします!
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